霊柩運送と変遷

霊柩運送事業とは ABOUT

一般区域貨物自動車(霊柩)運送事業 愛運輸第2201号

霊柩運送事業は、「貨物自動車運送事業法」に基づいて、一般貨物自動車運送事業として国土交通大臣から許可を受けた事業者だけが行うことができるライセンス事業です。
そして、霊柩運送事業は、この法律の名称のとおり、貨物自動車(トラック)運送事業の仲間とされています。これは民法上の規定によって「人間」はその死を境に「物」に変わるため、その「物」であるご遺体を搬送する霊柩運送事業は、貨物自動車運送事業であるということが理由となっています。
しかしながら、私どもは、ご遺体が単なる「物」であるとは考えていません。人間の死という、ご家族にとって大変重い出来事の中で、いかに人間としての尊厳を損なわずに、その役割を果たせるかに最大限の配慮を払っています。
また、ライセンス事業であることから、ご遺体を搬送するための霊柩自動車は、営業用自動車に与えられる「緑ナンバー」が必ず装着されています。

霊柩運賃・料金の仕組み

霊柩自動車の運賃及び料金は、国土交通大臣に届出を行い、その内容が適正であると認められた額が適用されています。
したがって、他社の需要に応じ霊柩自動車でご遺体を搬送する場合は、届出した運賃及び料金が適用されますので、無償(無料)の搬送はありえません。
運賃及び料金は、標準霊柩運送約款と届出運賃に基づき、車種、走行距離、時間帯などによって異なります。走行距離とは霊柩自動車の最寄りの車庫から起算し、ご遺体をお乗せした場所を経て、ご遺体をご安置した場所までの距離を言います。当社では、長距離の搬送で算定距離が400キロを超えるときには安全を考慮し、2名のドライバーで搬送します。

マイクロバスによる送迎事業

一般貸切旅客自動車運送事業 愛運輸第2102号

マイクロバスによる送迎事業は「旅客自動車運送事業運輸規則」に基づき、一般貸切旅客自動車運送事業として国土交通省から許可を受けた事業者だけが行うことができるライセンス事業です。
特に当社ではマイクロバスで葬儀にかかわる送迎を行っています。

宮型霊柩車の特徴 FEATURES

黒檀車

黒檀車は昭和初期から現在まで名古屋を中心に利用されています。
名古屋型霊柩車ともいわれ、現在は当社が所有する4台のみです。
屋根は銅板葺きで、木材は全て黒檀を使用し、彫刻が美しくあしらわれています。

特金車

特金車は四面に金箔張りの彫刻が施されています。
金は腐食(錆び)に強く光沢が鮮やかです。

宮型霊柩車の変遷 TRANSFORMATION

上の写真はかつて日本で行われていた『野辺の送り』です。
これが現在の宮型霊柩車の起源となっています。

その後大八車に乗せて運ぶようになります。
このようなものは「棺車」と呼ばれました。
左の写真は奈良県生駒市で昭和30年代まで使用されていたものです。
当社が譲り受け大切に保管しています。
事前に連絡を頂ければ見学も可能です。

自動車の発展とともに、装飾を施した車に棺を乗せて運ぶようになりました。
写真(一柳葬具總本店 提供)は米国車ビム号を改造し、大正8年ごろに使用されていた最初期の霊柩車です。

その後、左の写真のような霊柩車が普及するようになりました。
写真は米国車リンカーン号を改造した昭和6年ごろの霊柩車です。
このほかにパッカード、ハドソン等の車も使用されました。